今、新入社員は「何をどう考える」べきか?

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新入社員


コロナ禍で昨年から企業の採用が芳しくない状況が続いていますが、一方で、企業組織の中では人材不足が深刻化しているのが実態のようです。

理由としては、人件費への経営資源配分の見直しがあります。しかしそれ以上に、今後の事業見通しの不透明さが、過去に経験したことのないような空気感を持っているから、というのもあるでしょう。


ここで今、新入社員として新たな環境でスタートを切ろうとしている方々は、「仕事」をどのように理解して、前進してくべきでしょうか。





ビジネス基礎力調査:


株式会社ラーニングエージェンシーは、「社会人のビジネス基礎力調査結果」(調査対象、約55,000人)を公表しています。その内容によると、『ビジネス基礎力』を以下の4つのカテゴリでスコア化しています。その4つとは、

1)ビジネスパーソンに必要な基礎知識(Business Knowledge)、

2)仕事の計画力や進め方(Planning & Control)、

3)コミュニケーション力(Communication)、

4)思考力(Thinking)

になります。



ビジネス基礎力
出典:ビジネス基礎力調査(株式会社ラーニングエージェンシー)

この4つのカテゴリ(合計100点満点)構成を、①年代別・②業種別・③職種別・④4カテゴリ別でスコア化して分析しています。以下、それぞれについて見ていきます。




①年代別:


まず、年代別にみると20代後半の全カテゴリ合計のスコアがトップであり、4カテゴリ別に見てもいずれも高い得点を示しています。20代後半をピークに、30代はさほど低下はしませんが、40代以降からは徐々に低下して、50歳以上になると、平均点は50点を切って47.8点となっており、20代後半とは7ポイントの差が出ています。


年代別平均スコア
出典:「ビジネス基礎力調査」株式会社ラーニングエージェンシー

企業組織においては、40代から中間以上の管理職に就くことが多いです。

これは、日本企業の人事・組織ルールが古いままのための副作用が起こっている、と考えられるのと同時に、いわゆる管理職の『自分の立場を守る』意思が顕在化している、ということかもしれません。結果として、保守的な思考が見られたり、組織内の人事的バランスを重視したりするようになり、それらが邪魔をして「ビジネス基礎力」が落ちてしまっているのかもしれません。




②業種別:


次に、業種別にみると情報通信業(IT系)がトップとなっています。50ポイントを境に見ると、製造業・建設業が下に位置しています。

この理由として、仕事や業務における維持継続(同じことの繰り返し)が優先されるからではないでしょうか。



業種別平均スコア
出典:「ビジネス基礎力調査」株式会社ラーニングエージェンシー

誤解していけないのは、このスコアは評価の為のものではなく、同じ作業環境や職場で、ヒトのビジネス基礎力がどういう状態かというものです。

多くの人間は『同じことの繰り返し』を毎日続けると、飽きる感覚を覚えます。また、割り切る感覚も出てきます。その結果として、往々にして前述の「ビジネス基礎力」の維持、向上が難しくなってくると考えられます。


しかしながら、トップの情報通信業(IT系)の「ビジネス基礎力」が優れているとも言い切れません。

なぜなら、この業界で取り扱うのは無機質な情報です。五感で感じる物理的な成果物の本質や有機質な基本的な知識は不足している場合が多いように思います。




③職業別:


次に、職種別にみると、仕事の形態が大きく影響していると思われます。


職業別平均スコア
出典:「ビジネス基礎力調査」株式会社ラーニングエージェンシー

上位の職種はどちらかというとデスクワークが多く、様々な資料や鮮度の高い情報を扱うことが多いと考えられます。「営業職」以下は、デスクワークより動き回ることの方が多いと考えられます。ヒトは情報に触れることにより、仕事における能力が維持・継続・向上するとも言えます。そのため、多くの鮮度が高く、変化を伴う情報を仕事で扱う業種の方が「ビジネス基礎力」が高くなると考えられます。但し、情報そのものの質や量のバランスが悪いと、その限りではありません。



④カテゴリ別:


最後に、カテゴリ別にみると、一番高いのは「コミュニケーション力」で、「ビジネスパーソンに必要な知識」が一番低くなっています。



カテゴリ別平均スコア
出典:「ビジネス基礎力調査」株式会社ラーニングエージェンシー

これは、日本の企業社会においては、就職することが一つのKPIとなっており、学校を卒業して仕事を始めると、まずは職場やそこでの人間関係性の構築に注力し、『勉強』することから離れがちになってしまうことを表しているように思います。人間関係の構築も大事ですので、「コミュニケーション力」が高いことは一定の評価ができますが、「ビジネスパーソンに必要な知識」(経営、財務・経理、マーケティング、時事問題等の知識)が低いまま仕事を続けても問題ないのかどうか、少々不安を覚えます。実はここに、本質的な問題が潜んでいるような気がします。




ビジネスパーソンに必要な知識;例えば、3桁ずつカンマ:


私自身の経験談になりますが、20代で仕事を始めた頃(B2Bの営業職をしていました)、まだワープロやPCなどは無く、書類はほぼ手書き、売上管理台帳も手書き、複写伝票も手書きでした。その際、売上金額等の数字に3桁ずつでカンマを付けることを知らず、先輩方に指導してもらった経験があります。こんなレベルでも、当時は『若い』というだけで、就職できた時代でもありました。


今では、PCが仕事道具として存在し、そんなことを教わらなくても、エクセルなどが勝手にカンマをつけてくれますし、企業によっては、内定通知後に対象者に入社前からPCスキルの基礎的な研修を実施しているところもあります。


しかし、入社後にいざ仕事に就くとどうでしょうか。周りの先輩や上司から言われることが理解できない事はありませんか。


日本では「新人は、最初は(仕事のことは)何も知らなくていいから、ひたすら勉強・・・」などと言って、社内外の様々な研修に参加させられます。しかしその殆どが、業界用語や結果を出すための知識を詰め込むだけの場合が多いように見受けられます。


真にビジネスに必要な知識のための研修は、意外に少ないかもしれません。

そして、入社後3ヵ月~6ヵ月の研修期間を経て現場に出ると、やたら『新人』扱いされるかもしれません。私も営業職1年目は、研修は受けたのですが、ビジネスパーソンに必要な知識が欠如していたため、『新人』ということで許された部分はありますが、今思い返せば『赤っ恥』の連続だったような気がします。




がんばれ、新入社員!:


昨今の新入社員はその昔と異なり、大変だろうと思います。世の中には情報が氾濫しており、何が本当に必要な知識なのか、という情報すら錯綜している中で仕事に臨むからです。



がんばれ、新入社員


私のつたない経験から考えると、ビジネスパーソンに必要な知識の最初に考えられるのは、「日本の企業」の仕組みです。それは、「会社法」に定めてあります。

2007年から施行された「会社法」は、かつての「商法」から切り離されたものであり、過去の日本経済における不正や犯罪を減らそうとする目的も持っています。


それ以上に、自分が在籍する会社はどんな会社なのか、また、これから取引する相手の会社はどんな会社なのかは、ビジネスパーソンに必要な知識の一つです。



最初は何も知らなくて当たり前ですが、それは日本だけかもしれません。

北米では、小・中・高の学校におけるクラブ活動に入部する際には、『経験』を問われます。自分のやりたい事をやるには、それ相応の準備と経験が求められます。


これは、仕事に関しても同じです。

外資系企業に在籍して営業職に就いていた頃、自分は未だ若く向上心もあったので、新たな事に挑戦したいと思い、技術職への転職を強く希望したのですが、その会社の中では全く相手にされませんでした。帰ってきた言葉は、「ビジネススクールに行っておいで」、です。


日本の企業社会では、大学までの勉強はあくまでも基礎学力という扱いであり、ビジネスに必要な知識は、新たに学び続けなければならない、ということが多いです。つまり、現役で仕事を続ける以上、『修学』する姿勢を失ってはならないということです。これは、新入社員だけではなく、全ての働く人々に当てはまります。


また、昨今叫ばれる『DX化』の波には、年長者も新人も関係ありません。

まず個人に必要なのは、ビジネスパーソンに必要な知識と思考力です。そしてチームとして動くには、計画・進捗管理・コミュニケーションの能力が不可欠になります。

ひとまずビジネスパーソンに必要な知識を第一段階として、明日を楽しみに、有効に過ごしてみましょう。



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