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コロナ禍で生じた組織の現状を考える

更新日:2022年12月1日



社内コミュニケーション


先日、ある企業様のウェビナーで、「組織の再構築」についてお話しさせていただきました。

ウェビナーの最後に回答いただいたアンケートを拝見すると、自社の組織力の低さや社内コミュニケーションに悩んでいるが、どのように取り組んでいけばよいか分からない、課題の抽出をどのようにすればよいか分からない、という声がいくつかありました。

恐らく、日々の業務に追われて忙しく、課題についてゆっくり取り組む時間が取れない、ということもあるのかと思います。ただ、そのままではいつまでも前に進むことができません。


今日は、同じような悩みを持つ方に少しお役に立つのではないかと思われる、考え方の例をご紹介したいと思います。



 


「組織」は、経営の活動単位です。「組織」について考えるには、まずは経営全体から見ていくべきだと考えます。経営全体を考える項目の大分類が、以下となります。


1. 経営戦略

(ア) 全社戦略

(イ) 事業戦略

(ウ) 機能別戦略

2. 経営組織

(ア) 組織形態

(イ) 組織の制度・管理・文化

3. 経営管理

(ア) マネジメントの階層とプロセス

(イ) 経営計画

(ウ) コントロール



項目だけ並べていますが、ざっくり言うと、経営には戦略があって、組織があって、それを管理(マネジメント)していく、という基本的な考え方があります。

「組織」は、単に部分的な機能として見ていくのではなく、経営全体から見た時の「組織」という位置づけを意識しなくてはなりません。


前述の大分類で見た場合の経営計画(予算等)は、既に立案し実行されている組織(企業)もあると思います。しかしながら、経営戦略があってこその、経営計画です。何となく経営計画を立ててしまっていないか、経営戦略に基づく経営計画になっているか、振り返ってみてみる必要があると思います。

また、経営戦略を中・長期的視点から立案し、定期的にPDCAを回していく事も必要です。ただ実際にPDCAを回していくことはなかなか難しく、課題の一つでもあります(PDCAを回すことはマネジメント)。



 

「組織」の話に戻します。

「組織」について考えるには、現場の状況を把握することが大事です。それには以下の3つの視点があります。


1. 業務プロセスの課題と問題点

2. 実務環境の問題点

3. スタッフ(従業員)の心理的安定度


始めに、業務をQCDのフレームで分解してみます。(業種・業界によりQCDの具体的な定義は異なります。QCD;Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を並べたもの)そうすると、業務上の問題点が浮かび上がります。浮かび上がった問題点から、『本来はこうあるべきだ』という目指す姿を思考します。そうすると一つ一つ課題が見えてくると思います。


業務プロセスと実務環境は連動していますので、浮かび上がった業務の問題点から、実務環境の具体的な問題点がつながっていきます。

また、業務を決められた環境で実行(実務)をするのは、スタッフ(従業員)です。業務と環境の問題点が多かったり、大きな事だったりすると、心理的安定は維持しにくくなります。



 


ここで、具体的な例を見てみます。

この2~3年で、コロナ(外的要因)により、業務プロセスが大きく変化しました。「事業所へ出勤」することから「在宅ワーク」への変化です。これにより実務の流れ(業務プロセス)は大きな変更と対応を余儀なくされました。


在宅ワーク

在宅ワークの実務環境として、各個人にパソコン(PC)1台を支給しなければならなくなりました。そして、コミュニケーションをとるために、オンライン化が進みました。この際に、ミーティングなどで最初に発生するのが、通信回線(ネットワーク)環境の問題です。また、音声や、ミーティング内で共有する画像や動画などの品質の問題が発生します。


さらに、日本の狭小住宅の多い大都市圏・近郊の在住者は、ワークスペースの問題もあります。また、業務と環境に歪みやギャップ(不具合や不満等)が生じると、働くヒトの心理的安定が損なわれます。その結果、コミュニケーションにも問題が生じ、生産性は低下していきます。


PCを支給したにもかかわらず、また、在宅ワークで出勤時間が無くなったにもかかわらず、実務レベルでの業務効率を考えた時、果たして経営層の狙い通りの生産性を維持できたのでしょうか。



 


例えば、通信回線には、通信速度とコストが関係します。また、音声には、PCそのものの性能が関係します。ここで挙げた問題を解決するには、業務規程の中にセキュリティも含めた回線のレベル(規格)を設ける必要が出てきます。つまり、業務に必要な回線要件には、情報漏洩を防ぎ、かつ業務効率が落ちない通信回線そのものの品質(速度・コスト)を十分に鑑みてルール化することが必要となります。


また、PCも何でもいいわけではありません。PCそのものの業務効率を上げるには、PC本体側のメモリーの搭載容量を大きくする(4GB→16GBなど)、モバイルPCに増設できるモニタを付けて2画面にする、などの対策が挙げられます。


パソコン2画面


このようなケースで、多くの企業の中間管理職の方々とお話しさせていただく機会がありました。しかし、通信回線やPCなどの設備投資にまつわる問題になると、『経営層に提案・説得できない・・・』などの声も伺いました。


これは、あるべき姿・目指す姿につなげるストーリーが全社・全員で認識できていないために起こっている状況ともいえるでしょう。目の前の問題を俯瞰して見ることが出来ず、解決策があるにも関わらず、そこに辿り着けずに悶々とした状態に陥ってしまっているのです。

この場合で言えば、あるべき姿=在宅ワークでも、セキュリティ面も含め、出勤時と変わらず問題なく業務に就き、コミュニケーションも行える、そして生産性が下がらない=というストーリーが共通認識として持てていないため、必要な設備投資の導入判断が出来なくなっているのです。



 



勿論、IT設備機器に縁のない業界・業種・業務もあります。上記の例で挙げた方法とは全く異なる方法によって、現状把握、問題解決をしなければならないこともあることでしょう。しかしながら、いずれの場合でも、現状を把握することは必須です。そこから課題設定と問題解決の糸口が見えてくるからです。

しっかり現状把握をしたうえで立てた経営戦略、経営計画は、仮に未達に終わったり、予期せぬ状況に陥ったとしても、軌道修正をして立て直すことが比較的容易であると考えます。ただ現実には、1年単位の期末に向かっての経営計画を何とかクリアしないと、次(来期)がないことも事実です。



 


冒頭のウェビナーで、「組織の再構築」には、組織力を上げることが大事で、組織力とはすなわち組織内コミュニケーション力である、と定義したお話をいたしました。

組織内コミュニケーションは、現状把握の段階から始まります。働く方お一人お一人の考えや、心理的状況を聞いていかなければ、根本的な問題が不明瞭なまま、表層的な情報を基に思考してしまうことになります。ここで、「聞く(ヒアリングする)こと」はすべてではなく、今後どのように進めるか、も同時に考えながら、それぞれの組織状況に合わせて全社・全員で組織力向上を考え続けていくのがよろしいかと思います。









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