DX3:外部環境の課題と自社とのギャップをどう解消するのか?






自社の内部の課題や問題が山積していると感じているのは、ある一定の勤続年数を経た方が多い。また、入社して間もない社員が転職するのは、昨今では当たり前となっている。自社の課題や問題が恐らく完全には把握できていないだろうに、何かしら違和感を抱いて逃げてしまっているのかもしれない。



20年前私は、「負け組」と大手日本企業の方に言われたことがある。その際私自身「そうかな?・・・」思いつつ、その企業の方々を見てきた。確かに当時は日本の大手企業に所属していると、生活も安定し社会的な信用も得られ「幸福」と言える生活が見えた。しかしながら、昨今はどうだろうか。終身雇用・年功序列は昭和型企業の典型であり、平成から令和となって、その仕組みや待遇は風化しつつある。かつて「この業界は・・・」「弊社(うち)は・・・」、『他と違って・・・独自性がある』、と規模に関わらず自負していた企業が多く、また、「職人気質」のキャラクターが商売を支える場面も多く見られ、担当者同士の人間関係が重視されてきた。これを否定はしない。だが、今はそれだけでは何も見えない、把握できない時代となってきたと考えるべきである。





外部環境は、これまでの「温故知新」ではなく、新たな技術やサービスが多々生まれる時代となっている。例えば、レコードがCDに替わり、レコード針がなくなった。更にCDに替わり、インターネット上でダウンロードにより音楽コンテンツを入手するようになっている。それまでのCD(メディア)プレーヤーは不要となり、スマートフォンのアプリケーションがそれに替わった。そして更に、スマートスピーカーに話しかけるだけで、自分好みの音楽やニュースを毎月定額料金で利用できるようにもなっている。



この変化の根幹は「インターネット」であることは言うまでもない。この変化をどう受け止めるか、どう理解・消化するか。



ここで道は大きく2つに分かれる。その先端技術(ここでは「インターネット」)について行こうとするのか。あるいは、従来型のビジネスモデルの生き残りをかけて、経営戦略を見直すのか。果たしてどちらが是か非か。





短期的には、この2択における経営戦略(判断)が、成功したほうが評価されるだろう。しかし、前者の先端技術に沿ったビジネスとして、かつて一時的に成功した携帯電話の着メロやちょいゲー(ム)があるが、今や見る影もない。スマートフォンの登場で、これらのサービス自体に求められる目的や価値観が大きく変化し、ビジネスモデル自体も進化した。その進化に対応できた企業が大きな成功を収めている。一方後者の従来型のビジネスを継続した企業は、販売チャネルを変え、商品の付加価値を変化させ、生き残っているケースもある。結果、どちらも是となりまた非となっているのである。



外部環境の変化と自社の経営資源とのギャップを埋めるポイントは、次世代、次々世代に到来する技術や仕組みが何なのか、という情報を集める仕組みを持つことである。最初は、俗人的(カオス)かもしれないが、今はデジタルツールやサービスを利用すると、法人内でのシステムとして容易に活用することも可能となろう。



Xgooler(ズーグラー)と言われるコミュニティがある。そこは元Google社員6,000人ほどの集まりで、年間に300回以上の勉強会等が実施されている。そこに参加する彼ら・彼女らは、現在所属している各々の企業の大小や職種・職責に関わらず、各々の企業(あるいは個人)にとってのテーマ(Objection)を共通化し、それにまつわる情報収集を怠らない。知識や人脈などあらゆるものをシェアする文化で成り立っており、そして、世の中を良くするためにテクノロジーを使うというのがXooglerの共通の理念なのである。





自社にも、Xooglerのように組織形態に縛られないで、すべての情報を共有化する仕組みを構築することが第一歩だと思う。ボトルネックは経営層と現場とのコミュニケーションのマネージメント(管理)かもしれない。新進のベンチャー企業はこの点が大手と異なり、大きな強みの一つとなっているケースも多い。ここはXooglerの文化や理念を倣って、コミュニケーションのマネージネントを目指してもらいたい。その結果、組織内のコミュニケーションのデマンド化(適宜同期化)が可能になり、常に鮮度の高い情報やアイデアが経営資源に転換できるのである。



(つづく)